日本は四季折々の行事ごとに、その時の旬の食べ物を行事食としていただきます。
夏至には行事食のように食べるものがあるのでしょうか・・・
残念ながら、現代では特に決まった食べ物はないそうです。
しかし「夏至の頃に食べると良い」とされている食べ物が各地にあるそうですよ。
タコや、半夏生餅(はんげしょうもち)、うどん、サバなどです。
(今まで全然知りませんでした)
夏至に食べるものとして、どのようなものがあるのかご紹介していきますね。
各地の夏至の行事食は?
冬至にはかぼちゃを食べ、ゆず湯に入るのが一般的ですが、夏至は特に風習がありません。
夏至の行事食はありませんが、日本各地で夏至に食べるものはいろいろとあるようです。
関西の夏至の食べ物はたこ
関西では夏至の食べ物としてタコを食べる風習があります。
夏至の時期は「半夏生(はんげしょう)」とよばれ、季節の移り変わりのめやすとなる時期です。
田植えはだいたいこの時期に終わらせるものとされています。
タコを稲の根にたとえ、大地に根付いてほしいと祈願するものだそう。
明石沖で取れるタコは「明石のタコは立って歩く」と言われるほど、おいしく、身が引き締まっているそうですよ。
タコは美肌効果のあるコラーゲンを含むだけでなく、タウリン(コレステロールや血糖値を下げる、疲労回復)や老化を防ぐビタミンEなども含み、栄養満点です。
暑さに負けない体力を作るために、この時期にはぴったりな食べ物ですね。
おまけに、タコは「多幸(たこう)」としてお正月では縁起物として使われていますし、末広がりの足が8本。
縁起もいいですね!
夏至の食べ物・京都では?
また、京都では夏至の日ではありませんが、1年のちょうど半分にあたる6月30日に「水無月」という和菓子を食べます。
ういろうに小豆が敷き詰められている三角形の和菓子です。
小豆は悪霊祓い、三角形は氷を意味しています。
また、大阪・河内地方や奈良では半夏生餅(はんげしょうもち)という、収穫した小麦ともち米を合わせた餅をきな粉や砂糖をまぶし、田んぼの神様にお供えします。
半夏生とは、夏至から数えて11日後という意味で、田植えがだいたい終わる頃です。
夏至の食べ物(関東・香川・福井など)
先程ご紹介したお餅は、関東でも食べる習慣があります。
小麦餅と言うそうですが、私は長いことずっと関東に住んでいますが全く知りませんでした!!
せっかくなので、どのような食べ物なのか調べてみました。
作り方は半夏生餅と一緒のようですが、関東では焼いて食べるのみだそうです。
そのほかにも、香川県では半夏生うどんを食べる風習があるそうです。
その年に収穫された麦を使ってうどんを打ちます。
福井県大野市では半夏生サバという、丸焼きにしたサバを食べる習慣があるそうです。
福井はサバが有名ですよね。
以前訪れたことがあり、確かにスーパーマーケットにはサバの丸焼きが売っていましたが、夏至の時期ではなかった気がしますが…。
島根県や熊本県にも、小麦を使ったまんじゅうや団子を食べる風習があるそうです。
こうしてみると、全国至る所に、夏至の時期に食べると良いものがありますね。
簡単に言うと夏至とはどんな日?いつ?
皆さんは夏至、と聞くとなにを思い浮かべますか?
ほとんどの人が「1年中で昼の長さが一番長い日、つまり夜が短い日」ということを思い浮かべると思います。
意味は知っているけれど、特に何もしないという人がほとんどだと思います。
夏至とは?を簡単に説明すると、中国の古い暦にあたる「二十四節気」の10番目にあるものです。
この時期からだんだんと夏に向かいます。
(二十四節気とは、季節を表す言葉で、春夏秋冬をさらにそれぞれ6つに分けたものです)
夏至はいつかというと、毎年6月21日から7月7日頃の間です。
太陽と地球の位置関係によって決まります。
ちなみに、2023年の夏至は6月21日です(2021年も2022年も6/21でした)。
夏至の頃は夜が短いので「短夜(みじかよ)」とも言われています。
夏至にすること
夏至にすることは、地域ごとに食べるもの以外に何かあるのでしょうか?
祝日でもないし、梅雨真っ最中なので、あまり馴染みがないかもしれません。
しかし、2003年より「100万人のキャンドルナイト」というイベントが毎年行われているそうです!
世界各地で行われているようで、日本でも東京タワーや増上寺などのキャンドルナイトが有名です。
20時から22時までの2時間、電気を消してろうそく(キャンドル)の灯りだけで過ごそうというイベントです。
その2時間だけ、テレビを消してキャンドルの下で、読書をしたりお話したりするのも普段と違って素敵ですね。
もちろん、昔からある伝統的な行事もあります。
三重県伊勢市にある「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)」では、夏至祭というものが行われています。
夏至当日の日の出前、夫婦岩の間から昇る朝日に健康と世界平和を祈りながら、禊(みそぎ)を行います。
白装束を着た男女が300人近く海に入ります。
まとめ
1年中で昼の長さが一番長い「夏至」。
夏至もちゃんとした行事のひとつなのだ、ということがわかりました。
18時を過ぎてもまだ明るいことに気づくと、季節の移り変わりを感じ、夏が近づいてきたとワクワクしますね。
夏至の行事食は決まっていませんが、タコや、半夏生餅(はんげしょうもち)、うどん、サバなど、各地で食べるものがいろいろありました。
しかし、関西や福井に住む知り合いに聞いてみたところ、タコもサバも日常的に食べているので、「聞いたことはあるけれど…。」という答えでした。
風習を知るだけでも、季節を感じられて良いのではないかと思います。