皆さんは「お彼岸」と聞いて何をするのか、どういう日なのか知っていますか?
私は、お墓参りをする日、おはぎ、くらいしか思い浮かびません…。
お彼岸は年に2回、春と秋にあります。
お墓参りをしてご先祖様にあいさつをして、お墓を綺麗にしたり、仏壇にいつもより豪華なお供え物をしたりします。
お寺で、お彼岸の法要や彼岸会(ひがんえ)などが行われることもあります。
正しい知識を得て、ご先祖様を気持ちよく供養できるようにお彼岸にやることをまとめました。
目次
お彼岸にやること(お墓参りやお供え・法要)
春でも秋でも、基本的にお彼岸のメインはお墓参りです。
お盆のように、決まった行事や飾りつけをすることは特にしません。
お墓参りなどをするお彼岸の時期は、昼と夜の長さが等しいことが、仏教の中道(ひとつに極端にかたよらないという教え)の思想に合うと考えられています。
また、仏教では浄土を西に位置する「彼岸」といい、現世を東に位置する「此岸(しがん)」と言います。
春分の日と秋分の日はちょうど太陽が真東から昇り、真西に沈むので浄土がこの世に最も近づく日とされているそうです。
私は小さい頃、祖父母の家に帰省すると必ず、お墓参りに行って掃除をしたりお線香をあげていたりしたので、あまり特別な感じはしませんでした。
しかし、このような理由を知ると、ご先祖様を近くに感じることができる特別な日のように感じますね。
いつもより念入りにお墓をお掃除しようと思いました。
お彼岸にやること(お墓参りやお供え・法要)を順番に見て行きましょう。
お墓参りやお供え
お墓参りの習慣は、江戸時代中期以降と言われています。
基本的な手順についてご紹介しますね。
お彼岸のお墓参りの基本的な手順
- 暮石をきれいにする(拭く)
- 雑草をぬく・落ち葉の掃除
- お花やお線香、お供え物を供える
- ご先祖さまに生まれてきたことを感謝して、近況などをたくさん報告してお祈りする
お花は秋には彼岸花を供えることが多いのですが、基本的には季節の花で構いません。
故人の好きなお花があれば、それでも良いと思います。
お供え(春はぼたもち・秋はおはぎ)
お彼岸には、あんこのお餅をお供えします。
春は牡丹の花が咲くことから「ぼた餅」、秋は萩の花が咲くことから「おはぎ」が定番です。
諸説ありますが、ぼた餅とおはぎは、元々は形状やあんこの種類が異なります。
一般的に、ぼた餅は、牡丹のように大きくて丸い形でこしあんを使用しています。
一方で、おはぎは、萩の花のように細長い俵のような形でつぶあんで作ります。
これは、小豆を収穫する時期によるそうです。
小豆は秋に収穫するので、収穫したばかりの柔らかい小豆は潰さずそのまま使用することができます。
小豆の赤色は、邪気を払う効果があるとされています。
さらに、砂糖は貴重であったため、感謝の気持ちを伝えることにつながっていたそうです。
お墓まいりのときのお供え物は、帰るときにそのまま一緒に持ち帰ります。
「仏様のおさがり」として食べることが供養になるそうです。
仏様からいただくこと、というのが大事なことなのですね。
そのほかにも、ご自宅に仏壇があるご家庭は、いつもより念入りに仏具などをお掃除するといいですね。
彼岸の法要や彼岸会
お彼岸には、お寺で法要や彼岸会(ひがんえ)などが行われることがあります。
これは、そのお寺の檀家やお墓を持っている人が一度に集まって供養するもので、お寺の本堂で行われます。
その際はお布施を用意します。
だいたい3,000円〜1万円を包みます。
個別に自宅で彼岸会をする場合は、3万円〜5万円を包み、お車代として3,000円〜5,000円を用意します。
服装は喪服でなくても構いませんが、男性も女性も黒系やダーク系のスーツやワンピースなどが良いと思います。
四十九日を過ぎてから初めて迎えるお彼岸を、初彼岸と言います。
初彼岸も普通のお彼岸と同じように過ごします。
故人の親族として参加する場合は、喪服を着用しましょう。
お彼岸はいつからいつまで?
お彼岸は、春分の日や秋分の日の前後3日ずつの7日間です。
- 春は、3月の春分の日の「前後3日ずつ」の7日間
- 秋は、9月の秋分の日の「前後3日ずつ」の7日間
ちなみに、2023年のお彼岸は以下の通りです。
- 春のお彼岸:3/18~3/24
- 秋のお彼岸:9/20~9/26
それぞれの初日を「彼岸入り」、最終日を「彼岸明け」と言います。
2023年の場合、彼岸入りは3/18、9/20、彼岸明けは3/24、9/26です。
また、春分の日、秋分の日は「中日(ちゅうにち)」と言います。
2023年の場合の中日は、3/21(春分の日)、9/23(秋分の日)です。
テレビなどで「彼岸入りしました」「今日はお彼岸の中日です」と耳にすることがありますよね。
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ・将来のために努力する」という目的があります。
一方で秋分の日は「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」という目的があります。
毎年日にちが異なるうえに、それぞれ意義が違うのですね。
まとめ
お彼岸にやることとしては、お墓参りやおはぎ・ぼたもちのお供えがメインで、特別なことはありません。
なかには、他の親族を招いたり、お寺で彼岸会を行うという方もいるでしょう。
大切なのは故人を偲び、ご先祖さまに感謝の気持ちを伝えることだと思います。
しかし、法要を行う場合は、参加していただく親戚などに気持ちよく過ごしてもらうために、住んでいる地域の風習を確認しておくことが大切かもしれませんね。